この記事では、令和6年度報酬改定に伴う基本報酬の変更点と注意点、個別支援計画に定める際の注意点について分かりやすく解説します。

5領域を含めた個別支援計画の作成方法や記入例はこちらをご確認ください。
個別支援計画(5領域や本人支援等)の記入例や注意点を解説

延長支援加算についてはこちら
【令和6年度報酬改定】延長支援加算を算定するには?状況別の注意点も解説

基本報酬(定員10名の一般的な児発放デイ)

下記の時間区分は、重心事業所や共生型事業所には適応されません。但し、個別支援計画に支援時間を定める必要はありますのでご注意ください。

※重心事業所が、重心児以外の支援を行う場合は時間区分による報酬算定となります。

※重症心身障害児が重心事業所以外を利用する場合は、時間区分による算定となります。

また下記の報酬単位は定員10名の場合であり、11名以上の場合や、医療的ケア児の報酬は下記の報酬単位と異なりますのでご注意ください。

時間区分1

計画時間 30分以上1時間半以下

児童発達支援 報酬単位 901単位/日

放課後等デイサービス 報酬単位 574単位/日

※30分未満の支援においては、周囲の環境に慣れるために支援の時間を短時間にする必要がある等の理由で市町村が認めた場合に限り、算定可能となりますので事前に必ず市町村に相談してください。

時間区分2

計画時間 1時間30分超 3時間以下

児童発達支援 報酬単位 928単位/日

放課後等デイサービス 報酬単位 609単位/日

※1時間半ちょうどの計画の場合は時間区分1の算定となりますのでご注意ください。

時間区分3

計画時間 3時間超 5時間以下

児童発達支援 980単位/日

放課後等デイサービス 666単位/日

※放課後等デイサービスは学校休業日のみ時間区分3が算定できます。

学校のある日は、時間区分2までの算定となり、3時間を超えた支援は延長支援加算を算定できます。

学校休業日は5時間以上の支援で延長支援加算を算定できます。

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【令和6年度報酬改定】延長支援加算を算定するには?状況別の注意点も解説

報酬算定の時間

原則、報酬算定の時間は実際に支援した時間ではなく「個別支援計画」に定めた時間で算定します。
※送迎時間は含みません

※実際の支援時間はサービス提供実績記録票に記載する必要があります。

※個別支援計画が未作成である場合や、利用する予定がなかった日に支援を提供する場合など、個別支援計画において支援の提供時間が定められていない場合には、時間区分1での算定となりますのでご注意ください。

計画時間と実際の支援時間が異なる場合

例えば、計画時間は14時~16時(2時間)の場合は、時間区分2で算定しますが、実際の支援時間が1時間や3時間になる等、計画と実績で時間数が異なる場合の取り扱いは下記のとおりです。

利用者都合で実際の支援時間が短くなった場合

実際の時間に関わらず、計画時間の時間区分で算定可能です。

※利用者都合だけでなく、学校の授業が延長した場合や道路渋滞等により通常より送迎に時間を要するなど、事業所に起因しない事情による場合も同じ取り扱いとなります。

利用者都合等の場合は、実際の支援時間が30分未満になった場合でも、計画時間で算定することが出来ます。

事業所の都合で実際の支援時間が短くなった場合

事業所都合の場合は、実際の支援時間の時間区分で算定することになります。

この場合は、実際の支援時間が30分未満となった場合は算定不可となります。

計画時間より実際の支援時間が長くなった場合

計画時間より長くなった場合は、利用者都合・事業所都合に関わらず計画時間での算定となりますのでご注意ください。

ただし、利用者や学校等の都合により、個別支援計画に定めている提供時間とは異なる時間区分で算定するような状況が想定される場合(例えば、通常は1時間だが、学校の短縮授業等により3時間になる日が想定される場合等)には、想定される具体的な内容を個別支援計画に定め、必要な体制をとっている場合には算定可能となります。

計画時間の見直し

利用者都合による場合であっても、個別支援計画に定める時間と実際の支援時間に乖離がある状態が続く場合は、計画時間の見直しが必要となります。

明確な基準は出ておりませんが、1ヵ月間の利用の中で半分以上乖離すること(特に実際の支援時間が短くなる時)がある場合で、翌月も続く見通しであれば計画時間の見直しを検討しましょう。

児発管が不在で個別支援計画を作成できないときの対応

原則、計画時間が定められてない場合は支援時間に関わらず時間区分1での算定となります。

ですが、児童発達支援管理責任者が未配置であることにより、個別支援計画の作成や見直しができない場合において、

管理者や児童指導員等が、障害児等のアセスメントを行い支援の方針や支援目標、支援内容及びそれを実施するための支援の提供時間を定めた個別支援計画と同様の計画を作成している場合は、当該支援の提供時間に応じた時間区分の基本報酬の算定を可能です。

※上記計画については、あらかじめ保護者に説明を行い同意を得てください。この場合においても、個別支援計画の未作成減算が適用されます。

よくある質問

【質問】

台風などの悪天候時に、児童の安全を確保するため、事業所の判断で提供時間を変更し、個別支援計画に定める提供時間よりも実際に支援に要した時間が短くなった場合には、どのように算定すればよいですか?

【回答】

その場合は、計画時間で算定する事が可能ですが、台風接近時などの判断については、事業所や利用者宅の所在する地域において特別警報又は各警報が発令されるような場合が基本となります。

【質問】

普段は学校のある月・火曜日の16時~17時の予定ですが、保護者の都合で水曜日に利用する場合や短縮授業時は13時から利用する日がありますが、どのような計画時間にすれば良いですか?

【回答】

計画時間の項目に特記事項を設けて下記内容を記載しましょう。

・保護者の都合により、水曜日○時~○時までの支援を提供する場合がある旨を記載しておきましょう。

・始業式や懇談、テスト期間など、学校の下校時刻によって、普段の支援時間より長く支援する場合があるなど、想定される具体的な内容を記入しておきましょう。

まとめ

令和6年度の報酬改定により、基本報酬の算定が複雑になっております。

計画時間がきちんと記入されているか、普段と違う時間曜日で支援する場合も想定して作成できているかを確認しましょう。

また基本の個別支援計画がきちんと作成できているかの再確認はこちらの記事よりご確認ください。

当センターでは、児童発達支援・放課後等デイサービス事業者の支援を行っております。

加算の算定により記録や事務作業等が増えてくるかと思いますが、当センターでは無駄を極力減らし、適正かつ効率的な運営の支援が可能です。

事務処理や報酬改定の対応に追われている事業所様や、各種加算の算定を検討されている場合は一度当センターまでご相談ください。
加算届の作成方法や必要書類、要件のご相談なども、お電話もしくはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

重心児・医療的ケア児の基本報酬

重症心身障がい児

放課後等デイサービス

定員数授業終了後に支援する場合学校休業日に支援する場合
定員が5人~7人以下の場合1,771単位2,056単位
定員8人~10人以下の場合1,118単位1,299単位
定員11人以上の場合692単位817単位

児童発達支援

定員数基本報酬
定員が5人~7人以下の場合2,131 単位
定員8人~10人以下の場合1,347単位
定員11人以上の場合850 単位

医療的ケア児

放課後等デイサービス 医療的ケア児(32点以上)の場合

定員区分基本報酬
定員10人以下区分1(30分以上1時間30分以下)2,591単位
区分2(1時間30分超3時間以下)2,627単位
区分3(3時間超5時間以下)
※ 学校休業日のみ
2,683単位
定員11人以上
20人以下
区分1(30分以上1時間30分以下)2,399単位
区分2(1時間30分超3時間以下)2,423単位
区分3(3時間超5時間以下)
※ 学校休業日のみ
2,461単位
定員21人以上区分1(30分以上1時間30分以下)2,304単位
区分2(1時間30分超3時間以下)2,322単位
区分3(3時間超5時間以下)
※ 学校休業日のみ
2,361単位

放課後等デイサービス 医療的ケア児(16点以上)の場合

定員区分基本報酬
定員10人以下区分1(30分以上1時間30分以下)1,583単位
区分2(1時間30分超3時間以下)1,618単位
区分3(3時間超5時間以下)
※ 学校休業日のみ
1,674単位
定員11人以上
20人以下
区分1(30分以上1時間30分以下)1,391単位
区分2(1時間30分超3時間以下)1,414単位
区分3(3時間超5時間以下)
※ 学校休業日のみ
1,452単位
定員21人以上区分1(30分以上1時間30分以下)1,296単位
区分2(1時間30分超3時間以下)1,313単位
区分3(3時間超5時間以下)
※ 学校休業日のみ
1,352単位

放課後等デイサービス 医療的ケア児(3点以上)の場合

定員区分基本報酬
定員10人以下区分1(30分以上1時間30分以下)1,274単位
区分2(1時間30分超3時間以下)1,282単位
区分3(3時間超5時間以下)
※ 学校休業日のみ
1,339単位
定員11人以上
20人以下
区分1(30分以上1時間30分以下)1,055単位
区分2(1時間30分超3時間以下)1,078単位
区分3(3時間超5時間以下)
※ 学校休業日のみ
1,116単位
定員21人以上区分1(30分以上1時間30分以下)960単位
区分2(1時間30分超3時間以下)977単位
区分3(3時間超5時間以下)
※ 学校休業日のみ
1,016単位