児童発達支援・放課後等デイサービスにおける「専門的支援体制加算」 「専門的支援実施加算」の要件・注意点を解説しています。

専門的支援実施計画書や、実施記録の内容、ひな形も解説しております。

専門的支援体制加算

基本要件

  • 基準人員が欠けていない事

児童発達支援管理責任者の欠如時も算定不可です。

  • 基準人員に加えて、専門職員として理学療法士等を1以上配置(常勤換算)していること

  • 児童指導員等加配加算を算定している場合は、基準人員+児童指導員加配対象人員に加えて1以上の配置が必要です。

理学療法士等とは

【理学療法士等】とは
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、※保育士、※児童指導員、心理担当職員(心理学修了等)又は視覚障害児支援担当職員(研修修了等)を指します。

※保育士、児童指導員については、資格取得・任用から5年以上児童福祉事業に従事した者に限られます。

児童福祉事業5年以上の経験とは

保育士もしくは児童指導員の方で専門的支援体制加算を取得する場合は、5年以上の児童福祉事業経験が必要です。

児童指導員等加配加算では、任用・資格取得前の経験も含むことができますが、専門的支援体制加算の場合は任用・資格取得から5年以上の実務経験が必要となりますのでご注意ください。

専門的支援体制加算の実務経験に含まれる事業は下記をご確認ください。
※特別支援学校、特別支援学級及び通級による指導における教育の経験は含まれませんのでご注意ください。

  • 幼稚園
  • 児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援、障害児相談支援
  • 助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、 児童自立支援施設、児童家庭支援センター及び里親支援センター
  • 児童相談所
  • 児童自立生活援助事業、放課後等児童健全育成事業、子育て短期支援事業、乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業、小規模住居型児童養育事業、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、病児保育事業、子育て援助活動支援事業、親子再統合支援事業、社会的養護自立支援拠点事業、意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業、子育て世帯訪問支援事業、児童育成支援拠点事業、親子関係形成支援事業

加算単位数

一般的な児発・放デイ(定員10名)の場合   123単位/日

重症心身障害児対象事業所(定員5名)の場合 247単位/日

専門的支援実施加算

基本要件

  • 児童発達支援管理責任者が欠如していないこと

  • 理学療法士等を配置(常勤換算でなく単なる配置で可。基準人員、児童指導員加配職員等によることも可)

  • 個別支援計画に位置付けられていること

個別支援計画への位置付け記載例はコチラの記事でご確認ください。

  • 理学療法士等が、5領域のうち特定(又は複数)の領域に重点を置いた支援を行うための専門的支援実施計画を作成すること

  • 専門的支援実施計画に基づき支援を行うこと

  • 専門的支援は個別での実施を基本としつつ、個々のニーズを踏まえた支援を確保した上で、小集団(5名程度まで)での実施も可

  • 基準人員を配置した上での小集団の組み合わせ(2まで)による実施も可

  • 専門的支援の時間を30分以上を確保すること

専門的支援実施計画・実施記録

  • 個別支援計画とは別に理学療法士等が作成し、保護者への説明・同意を得る必要があります。

  • 計画の実施状況の把握を行うとともに、必要に応じて計画の見直しを行う必要があります。

  • 実施児童ごとに毎回記録を残す必要があります。(小集団で実施した場合も個別に作成)

  • 専門的支援実施計画には下記の内容を入れる必要があります
  • 当該専門職によるアセスメントの結果
  • 5領域との関係の中で、特に支援を要する領域
  • 専門的な支援を行うことで、目指すべき達成目標
  • 目標を達成するために行う具体的な支援の内容
  • 支援の実施方法 等
  • 上記の項目に限らず、ニーズに応じた専門的支援に必要であると考えられる項目について記載するとともに、計画的に質の高い専門的支援を提供する上で有効な計画とすることが求められます(例えば、障害特性を踏まえた配慮事項について記載する、個別支援計画の支援との関連性を記載する、支援の改善が図れるような構造とするなど)

専門的支援実施計画書のひな形・記載例

当センターでは専門的支援実施計画および実施記録のひな形・記入例を準備しております。
計画書作成でお困りの事業所様はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

個別支援計画への位置付け記載例はコチラの記事でご確認ください。

家族支援加算や子育てサポート加算の記録様式も準備がございます。
一度お問い合わせください。

加算単位数・算定回数

専門的支援を実施した場合の単位数 150単位/1回

児童発達支援の算定回数

月の利用回数が12日までの場合・・・4回まで

月の利用回数が12日以上の場合・・・6回まで

放課後等デイサービスの算定回数

月の利用回数が6日未満の場合・・・2回まで

月の利用回数が6日以上12日未満の場合・・・4回まで

月の利用回数が12日以上の場合・・・6回まで

よくある質問

【質問】専門的支援実施加算は、専門的支援体制加算を取得していなくても算定できますか?

【回答】算定できます。実施加算については、単なる配置で問題なく、基準人員や児童指導員等加配加算、専門的支援体制加算で加配している人員によることも可能です。

【質問】専門的支援実施加算の算定には、保護者の同意は必要ですか?

【回答】必要です。専門職によるアセスメントを踏まえた専門的支援実施計画を作成し、保護者への説明・同意を得る必要があります。利用者負担金が増える場合もありますので、必要性も含めて丁寧に保護者へ説明し同意を得てください。

【質問】専門的体制加算の加配人員が、1ヵ月の内1日だけ有休休暇取得や病欠となった場合はどうなりますか?

【回答】当該職員が常勤の場合は、有休や欠勤等で配置できない場合でも常勤換算上に含めることが可能ですので算定可能です。ただし、欠勤等が1月以上続く場合には、配置要件を満たさなくなります。
非常勤での配置の場合は、指定権者によって一部異なりますが、原則常勤換算に含めることができませんのでご注意ください。
尚、指定権者によっては有休や会社所定の休みはOKでも、私用による欠勤は認められないなど取り扱いが異なる場合がございますので一度ご確認ください。

【質問】専門的支援実施加算は、外部講師等による支援での算定は可能ですか?

【回答】例えば他の法人等、外部から派遣された者により支援を実施した場合は、本加算を算定できません。

まとめ

人員に余裕がある場合は児童指導員等加配加算に加えて専門的支援体制加算の算定も検討しましょう。

専門的支援支援体制加算が難しい場合であっても、経験5年以上の児童指導員又は保育士が在籍している場合は実施加算の算定を検討しましょう。

児童指導員等加配加算の解説は下記よりご覧ください。
【令和6年度報酬改定】児童指導員等加配加算の要件・注意点を解説

専門的支援実施加算を算定する場合は、個別支援計画への位置づけと専門的支援実施計画の作成、実施記録の作成を忘れないように注意してください。

関係機関連携加算の解説も行っております。
【令和6年度報酬改定】関係機関連携加算の要件・注意点を分かりやすく解説

加算の算定により記録や事務作業等が増えてくるかと思いますが、当センターでは無駄を極力減らし、適正かつ効率的な運営の支援が可能です。

事務処理や報酬改定の対応に追われている事業所様や、各種加算の算定を検討されている場合は一度当センターまでご相談ください。
加算届の作成方法や必要書類、要件のご相談なども、お電話もしくはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

参照資料 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について|こども家庭庁